2010-01-01から1年間の記事一覧
「幻影城の時代」に書いた、たった数行のご縁でタイトルの会へご招待を頂いた。権田さん自身とのご縁は、ミステリ資料館での「逍遙」本寄贈のお礼の言葉、唯一回。弱輩の身で出席もためらわれたが、貴重な経験でもあり、ありがたくお受けした。 当日少し早め…
『黒死館逍遙』夏の新刊に向けて、校正の嵐が吹きまくる。ノンビリと、大著の海を漂っていたあの一ヶ月は何だったんだ。と声がかかる。だってもう纏まってるしと、自分。恒例のやりとりの挙げ句に、真っ赤になった初稿が帰ってくる。いつものようにそんな日…
二ヶ月ほど前、折角神保町経由の通勤が始まったのに、良いことがないなどと書いたものだ。とは言っても持って生まれた性は如何ともしがたくK書店の金、土、日のガレージ・セールを覗いたり、パン屋を探して、美術書の源喜堂に辿りついたり、少しずつウロウロ…
かかっていたからと、「ぴったんこカンカン」をみる。映画「アウトレイジ」のプロモーションの一環らしい。北野武のヴァイオレンスが苦手で、彼の作品は予告編以外一本も見たことがない。しかし、ビートたけしならツー・ビート時代のNHKに出られなかった、テ…
素のアンテナでもお目にかけている私立図書館。大昔、まだ黒死館語彙蒐集の緒についたばかりの時に、何度か通ったことのあった素敵な図書館だ。その後、平日のみの開館ということもあって二十年近く、ご無沙汰であった。その時は、基本的な情報も押さえずに…
再び、高校時代の話。当日記で、何度も何度も名前を出している『夢の宇宙誌』を手にしてすぐ、同じ美術出版社から『迷宮としての世界』が出版された。1966年で、1900円。今なら一万円を超えるにちがいない高額な本だった。そのために、換金率も良いので、幾…
定時制高校に入って、本と共に、中学生の頃から好きだった映画熱に火がついた。大切な収入源の筈の職場をさぼって、当時生活していた、溝の口周辺の映画館に入り浸る日が続いていた。日比谷、有楽町の封切館への出入りは、もう少し後になる。小学校時代から…
前回は、途中退席のせいもあって惨憺たる有様であり、それに懲りて、今回は出品点数は変わらないものの持ち込み部数を大幅に減らしてしまいました。そんな時に限ってお客様が多く、朝一の大人買いのお客様もあって、数点が完売となりました。カルタと『逍遙…
早稲田大学演劇博物館、ほぼ、二十年ぶりの再訪である。 第4回河鍋暁斎シンポジウム「河竹黙阿弥と河鍋暁斎」以来のことだ。 その頃まで、「鹿鳴館」暁斎筆(がす資料館蔵、現「河竹黙阿弥作『漂流奇譚西洋劇』パリス劇場表掛りの場)と仮称されていた西洋建…
第十回文学フリマ 会場 大田区産業プラザPiO(京浜急行本線 京急蒲田駅 徒歩 3分、JR京浜東北線 蒲田駅 徒歩13分) 開場11:00〜終了16:00 サークル名 黒死館付属幻稚園 U-06 今回も、『黒死館逍遙』バックナンバー中心の品揃えです。最新刊は、第十号「ケル…
前回、記事を書きながら画像検索をしていたら懐かしい画像に行き当たった。戦前の数少ないケルト研究本の一つ『愛蘭神話伝説集』 八住利雄で見かけた挿絵だった。開いてみたらKeltische Mythen en Legendenという本の口絵Koningin Maevであった。但し、英語…
森江春策は、作者の陰謀で、ミステリそのものと対峙させられてしまった。ミステリのからくりを自明のものと思い込んで、ゆったりと探偵とともに物語の世界に、紡ぎ出される衒学の海に漂う読者も、犯人?の策謀に巻き込まれ最後には、まさかの世界まで連れ去…
黒死館語彙の収集も、初期には『広辞苑』や『西洋人名辞典』で検索できている頃は順調だと思っていた。勿論七十%くらいまでは確かにそれで済んでいた。そのうちに『世界大百科辞典』でさえも索引では引っ掛からない単語が残ってきた。見た目にはたいした分…
今回も沢山の方々に本をお手渡しできたことをうれしく思っております。 その上光栄なことに、いろいろな方からお名前を出して頂けました。また、次回も楽しい品揃えを目指して頑張ってみたいと思います。
貸はらっぱ音地 谷中7-17-6 http://ondi.exblog.jp/ うれしいことに今年も参加することができます。前回は沢山の皆様のおかげで、素晴らしい成果を上げることができました。今回も色々工夫を凝らしてみました。気に入って頂けるとよいのですが。何時も通り、…
新職場へ通い始めて、約2週間。毎日毎日乗り換えている神保町という駅なのだが、新職場の流れにやっと乗っているのが精一杯。とてもではないが、地上へ上がる気力もなかった。先週、一度上がってみたが、小雨に煙る靖国通はまるで異国のようであった。そん…
開放感たっぷりだった前職の外気の下での職務が終わって、一転して広大な空間に閉ざされた閉塞感の中での作業が始まった。習熟に向けて、新しい筋肉の活動が始まっている。前職の過酷ともいえる長歩きに比べれば、拘束時間も短く慣れてさえしまえば、また、…
書影さえ必要でないくらいレファレンスの定番、全五巻二千ページを優に超える大著『古代中世科学文化史』平田寛訳 岩波書店1951-1957刊(第五巻は1966年刊行 *現在注文中)を、部外者の斜め読みとは言え、二週間で四冊読破。揃いではないため四冊しかないが…
まるで、その頃の心境のまま吹き荒れた強風も、収まった二日夕刻、新職場から確認の電話が入った。どうやら就業確定だそうである。ホッと落ちついて翌日は、終日家内でジョージ・サートン『古代中世科学史』で語彙の収集。今更なのだが時間のある今、やっぱ…
家でくすんでいると、体の回りに靄がかかって来るようで、それをはらそうとK氏が、色々企んでくれる。昨日は、六義園の夜間開放とライトアップである。何しろ、一人暮らしの時は億劫がりで、まず出たことのない庭園巡りなので、自分から企画など立てられもし…
三連休の最終日、とはいっても個人的な春休みはまだ続いているのだが。いくら暖冬だったとはいえ、この季節、薔薇はまだ咲かない。当初考えていた予定を変更して、花に重きを置かなくても良さそうな名所見物に出た。六年間ほとんど外出できなかった反動が、…
甲羅干しについては、ここで〈ののちゃん〉とお勉強していただけばと思うが、このところ素天堂は周辺の喧噪をよそに、まるで水辺の彼らのような日々である。チョコチョコと索引作りや資料探しで時間をつぶし、夕刻には夕餉の仕度に入る。先日も、炊事仕事の…
二週間ぶり、長いか短いか、カルガモの水面下の水かきのように、バタバタと動き回る日が続いていた。いくら自分で自信があったとしても、人に見えなければ何にもならないということを、いやという程味わった半月だったが、何とか格好が付きそうになってきた…
この二週間、室内作業や、神経を使う作業が続いたので、「せっかく慣れた足が、また鈍るね」というK氏の一言から、久しぶりに地元歩きをしてきた。目標は区内の名所「清澄庭園」である。都営地下鉄なら一駅、三十分もかからないのだが、今回はわざわざ運河沿…
この間まで続けいていた作業は、目的があったから町歩きとは言わない。確かに、副産物としてのウォッチングはあったとしても、やっぱり仕事である。しかし世の中には、遊びとしての町歩きで、立派に公共放送を使い切った番組がある。 残念ながら、期間限定だ…
もう四半世紀にもなった。今手元に一冊の小冊子がある。本文用紙そのままの表紙は、学術関係の同人誌のように活字の組だけで構成され、活字で囲まれたスペースに、まるで写真のような巻き貝の絵がポツンと置かれているという素っ気ないものだ。この薄さは、…
今回は、リハビリの必要がないので、つぎの日からお出かけの連発である。まず二十七日土曜日は、荻窪を最終目的とした中央線古本巡りだった。まず高円寺の〈西部雑本市〉を覗き、まあまあの手応えを感じて電車に乗る。思ったより大分時間をつぶしたので、ミ…
九月末日の怒濤の講習から始まった、奇妙な町歩きだったが、二ヶ月限りの約束で始まった契約も何度か伸びて、とうとう現場作業の最終日までお付き合いすることができた。 東京のほんの一部とは言え、まるで地形のままに、西の果てのお屋敷町から、東の涯の町…
このところの作業が終盤に近づき、件数は減っているものの周回範囲が拡がって歩行距離は伸びている。慣れてきているせいで、極度の疲労感や足の痛みはないのだが、やっぱり、それなりの疲れが出ているようだ。 昨日も、品川駅での人身事故の影響で、帰宅の京…
まるで絵葉書のような雪景色 上記の印象記ではリンクがあまいと指摘を受けた。そこで改めて、訪れた各所に敬意を篭めて正確なリンクを掲載することにしました。それぞれの詳細を以下のリンクでご覧下さい。 洞元荘 水上町歴史民俗資料館・旧戸部家住宅 窯焼…